中国語教室の初日、
一通り、四声の説明と練習のあと、
簡単な単語を学びます。
dùi bu qǐ
对不起 ドゥェィ ブゥ チィ
中国語の”ごめんなさい”です。
[ここから続き]
私の席の隣に座っていた
紳士の同学が
おもむろに質問しました。
「先生、その”トイプチー”の
“トイ”は”トイ”ですか?
それとも”ドイ”ですか?」
初級教室の”S老師”は日本人だけど
相当の中国迷(ファン)で、中国語にもかなりこだわりが
ありました。
そんな彼は的確にこう答えました。
「実はどちらでもないんですよ。」
確かに老師の発音を聞いていると
私には”dui”と表記するところが”ドゥェィ”と”トゥェィ”の
中間のように聞こえます。
“t”と”d”の発音は日本人には”タ”と”ダ”のように濁点の
有る無しですけど、中国語では”有気音”と”無気音”の違いという
定義になっています。
(これについては別の機会にしようと思います。)
赤ちゃんがお母さんのマネをして言葉も覚えていくように、
もともと人間には、誰しも人のマネをする能力が
備わっているといいます。
そんな力が何十年経っても残っているんですね。
耳がカタカナ表記に違和感を感じたので
彼もそう質問をしたのでしょう。
その時、私はS老師のおかげで 以前もいいましたように
“カタカナの限界”
を改めて思い知ったのでした。